人事評価などで受けるフィードバックは自己成長のための重要な要素です。良いフィードバックには、その人の強みと改善点の両方が含まれているものです。しかし、成長意欲の高い人は改善点にばかり意識が向いてしまいがちですし、インポスター症候群に悩む人は褒められた内容でさえ「たまたま運が良かっただけ」「自分ではなく同僚の成果」として受け流してしまいます。これでは、現実の半分しか見ていないのと同じです。

こんな時に役立つのが、「やる気ブーストメモ」です。このメモは、フィードバックや普段の会話の中から嬉しかったコメントを抜粋し、将来のモチベーション向上のために記録するものです。このメモを作るのはとても簡単です。言われて嬉しかった言葉を、日付やその人の名前などとともに簡単に記録するだけです。仕事が大変な時にこのメモを読み返すと、自信とやる気を取り戻すことができるでしょう。

私の職場では、年間で延べ10人ほどの同僚から質の高いフィードバックを受ける仕組みがあるので、このメモを実践するのは容易でした。そのような仕組みのない職場では、信頼できる同僚に頼んでみるのもいいかもしれません。ちなみに、私のメモを振り返ると、AIを主とする技術への深い理解、ソリューション設計、実装の速さと正確さ、明確なコミュニケーションに対するコメントが多かったです。「あなたと一緒に働けて嬉しい」といった言葉を読み返すのは、気恥ずかしくも嬉しいものです。

「やる気ブーストメモ」は、成長意欲の高い人が自己肯定感を保つのに役立つ実践的なツールです。本記事は仕事における利用を想定して書きましたが、それ以外の場面にも応用できるかもしれません。実践された方は、ぜひ感想を教えてください。